社内報をもっと知ろう!社員がつながる書き方とは

社内報について詳しくご説明します。その上で、社内報がなぜ発行されるのか、その内容はどのようなものなのかについてご紹介します。また、社内報の書き方やタイトルの付け方、デザインの方法についてもご説明します。

社内報をもっと知ろう!社員がつながる書き方とは

社内報を作ろう!

社内報について知っている、という方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。毎号丁寧に読んでいる、という方もいらっしゃるでしょうし、斜め読みしかしていないという方もいらっしゃるでしょう。

しかし今までとは違った視点から見ると、社内報はとてもたくさんの手間をかけて作られた製作者の思いの結晶なのです。今回は、その社内報についてご紹介します。

社内報とは何か?

パソコンで社内報を見てる社員たち

社内報は、別名「社報」とも呼ばれています。ツールとしては、ポスターや紙面、冊子の他に、壁新聞などがあり、会社が社員や従業員に向けて発する情報すべてが社内報であると言えます。紙媒体だけでなく、Webを利用する企業も増えているのが最近の特徴です。

国外での活動が多い企業では、現地でどのような業務が行われているのかを国内の社員に知らせるための手段のひとつとして使われています。

社内の情報、考え方、経営状態や活動方針などを社員全体で共有するために制作している会社が多く、近年はその重要性が見直されています。

社員の家族に対しても情報を伝達するために、あえて紙媒体で冊子を作り、それぞれの自宅に郵送するという企業も多くあります。企業ごとに、読んでもらえるように、わかりやすいように工夫して作成しているため、個性が表れると言えます。

一方で、製作費がかかるわりに見返りが少ないといった声や、制作しても業務としての評価が低いという企業があるのも事実です。企画を一から考えなければならないため、時間と手間がかかると不評な面もあります。経費削減のために尽力している企業には、社内報は不要な存在なのでは、という考えもあります。

社内報を作る目的と記載するネタ

社内報とは何かをおさえたところで、ここでは、社内報の目的と、社内報に書く時のネタを関連付けてご紹介します。

新入社員と退職者を紹介する

社内報に新人社員や退職者の紹介を載せ、歓迎や送別の気持ちを読み手に持ってもらうというのはポピュラーなネタでしょう。部署が違う人で、退職する人がいるとわかれば、挨拶する事ができます。

また、新入社員を写真付きで紹介し、顔を覚えてもらうための工夫をする事も可能です。新入社員の存在を周囲が認識する事で、何かと気にかけてあげたり、積極的にコミュニケーションを取りに行ってあげたりと、気を遣って交流を図るきっかけができます。そのため、新入社員は自分が迎えられている事を実感する事ができるため、悪い緊張感から解放されます。

経営方針が全ての社員に行き届くようにアピールする

社内報には、取締役のインタビューを掲載し、現在の会社の経営方針や、重役が何を考えているのかを広く社員に理解し、知ってもらう目的もあります。その事で、従業員の末端まで社長の考えが行き届くようにアピールし、従業員のやる気を鼓舞するための一助となります。

社員のことを知らせる

社内報では、現在会社で働いている社員に対するインタビューで、入社したきっかけや、今手がけている仕事はどのようなものなのか、これからやりたいプロジェクトや趣味など、読む人の興味を引き、こういう人が一緒に働いているんだな、と思わせる記事を書くと良いでしょう。

効果的なインタビューとしては、社外の人へのインタビューも挙げられます。自社の製品やサービスを実際に利用、使用した感想や成果など、良かった点や悪かった点をありのままに話してもらいましょう。自分達だけでは気づかなかった新しい視点からの意見は良い刺激となり、社内での意見交換を活発にしてくれます。

取引先のことを知らせる

今後の課題を見つけるためにも良いきっかけとなるので、「お客様目線」は競合他社との差をつけるためにも取引先の情報を社内報で知らせることは大事な要素です。

取材を受けてくれる企業とのアポイントメント、撮影の準備など、様々な確認があり大変な作業が続きますが、いつもの記事よりワンランク上の仕上がりになるでしょう。

違う部署の業務内容を知らせる

社内報に色々な部署での業務内容について紹介する記事を載せるのも良いでしょう。違う部署での業務内容について知る事で、自分がどういった組織で働いているのかを自覚するきっかけが生まれます。組織への帰属感や、仲間意識を深める事ができる良い機会となります。

会社全体が持つ課題について社内報で書くと、共通の問題意識を持つ事ができ、一体感が生まれ、より結びつきが強固なものとなります。一言で会社のために働くと言っても、目的が見えないとイメージが掴みにくいので、はっきりと提示する事が効果的なのです。

会社の歴史を知らせる

会社の歴史や、それに関連させて今の会社の在り方を社内報に掲載する事で、より一層会社についての理解を深めてもらえます。どのような経緯で現在に至り、商品開発や経営方針が定められ、実行されてきたのかを知る事は、社員が働く上でモチベーションを上げるために貴重な材料となるでしょう。そして、それを知る事により、今までよりも会社に対する思い入れもより一層深くなるはずです。

国外で働く社員のこと、仕事のことを知らせる

国内、国外に社内報を発信する場合には、翻訳を相互に行い、お互いの情報を積極的にやり取りする事ができます。国内にいる社員には、国外での事業展開が想像しにくいため、社内報は現地の様子を知るための重要なツールとなります。

国外で働く社員にとっても、国内での会の現状は気にかかるものであるため、社内報で知り得る情報は多いと言えます。お互いがお互いを意識する事で、自分達が事業を国際的に展開しているという自覚を持つ事ができるのです。

講座、イベントのお知らせを掲載する

社内で周知の事実としておきたい事を広めるために、社内報を活用するのもひとつの方法です。講座を何度も開くよりも、社内報に載せて伝えた方が目に入る機会が多いため効果的であると言えます。

社内で行った行事や特別なイベントなどを写真付きで載せて、参加できなかった人にもその場の空気を味わってもらうのも良いでしょう。また、会社が提携している施設の催しやサービスなどを紹介するのも娯楽の提供になります。

社員の家族にも会社のことを知ってもらえる

そして、家族が働いている会社の内情は知り得る事ができないため、身内にとっては社内報のように外に向けて発信するツールが重要な手掛かりになります。

社内報の書き方

社内報のことで取材をしている社員

社内報の書き方としては、まず資料を用意して書くべきなのか、誰かに取材した方がリアリティーが出て詳しく書く事ができるのかについて考えるべきです。内容によって、どちらが適しているのかを判断する必要があります。

取材相手にアポイントメントをとる

取材の必要がある場合は、取材相手にアポイントメントを取り、どのような内容のインタビューをするかについて考えます。

大まかな流れを決める

最初に記事の大まかな流れを書き出し、読み手にわかりやすい順番を決めると良いでしょう。原稿作成の作業をするのが複数名である場合は、各自がアイディアを出し合って、良いところを組み合わせていきます。

誤字脱字のチェック、原稿の書き直しをする

原稿のプロット(枠組み・構成)を決める事で、全体の作業をスムーズに進める事ができます。また、出来上がった原稿や集まった原稿のリライト(書き直し)の作業も重要です。その企画の意図を充分に理解した原稿であるかどうか、文章に不都合な点や不自然な点はないか、誤字や脱字はないかどうか、文字数は規定量を満たしているかどうかなどを細かくチェックしていきます。

出来上がった原稿は、取材相手や寄稿者に対して確認を取る事を忘れないようにしましょう。社内報発行後のトラブルは、入念な確認作業によって防ぐ事ができます。

写真を載せる

社内報に欠かせないのは写真です。写真があるのとないのとでは、華やかさが全く違います。ぜひ積極的に写真を掲載してください。

印刷する場合には、使うデータはJPEGデータで用意しなければなりません。社内報に写真を載せる場合には、そこに写っている人物や作品などに対して、著作権、肖像権に配慮し、充分確認を取ってから撮影するように心がけましょう。

撮影する際には、実際に誌面にどのように掲載するのかをイメージしながら写真を撮影します。撮影現場をあらかじめ確認しておく事はもちろん、撮影相手とのコミュニケーションは充分にとっておくべきです。

社内報の魅力的なタイトルの付け方

社内報の魅力的なタイトルの付け方について説明しているスーツを着た女性

社内報を作るにあたって、タイトルに悩む人も多いのではないでしょうか。わかりやすい社内報のタイトルとしては、社名や、社名をもじったもの、社名を省略したものなどを利用したものが多いです。

社内報であることをアピールできるもの

「~ニュース」、「社内報」、「マガジン」、「ジャーナル」、「クラブ」、「通信」、「~の友」、などが代表的な例として挙げられます。わかりやすく、社内報である事をアピールできるタイトルが良いでしょう。

また、英単語を使っている場合も多くあります。「~RUNNER」、「HARMONY」、「CHALLENGER」、「INNOVATION」など、イメージが良い英単語を使うのも効果的です。

社内報を発行した理由や、その会社の社風、社内風によって、何を得ようとしているのかについて短くまとめたタイトルも良いでしょう。

「結(むすび)」:社員の結びつきを強めるための社内報発刊である、など、あえて遊び心を出して肩の力を抜いたタイトルにするのも、社内報が発刊されるたびに笑顔になる事ができてとても良いと言えます。

社長の名前や創業者の名前を使ったり、社訓を前面に押し出すのも、会社への愛が感じられる良い社内報の特徴となります。

社員から公募するのもひとつの手

社員から公募するというのもひとつの手です。社内報の存在感を強め、インパクトを大きくするためにも、社員からアイディアを募るのは良い方法です。

タイトルロゴは工夫が必要

タイトルのロゴも、あえて地味なものを使うか、一から作ったものを使うか、創業者の言葉を使うのであればその文字をそのまま使うなど、工夫が必要です。見る人に対して、手に取って読んでみたいと思わせるのはやはり第一印象の表紙であるので、そこにあるタイトルはとても重要な役割を持っていると言えます。

長年使われてきたタイトルがあるのであれば、それを使い続けるのも良いでしょうが、内容を大幅に変えたり、社長が変わり、社内の経営方針も変わったなど、大きな変化があった場合には、それに合わせてタイトルや表紙を一新するのも良いでしょう。

長すぎないように注意

社内報のタイトルをつける時に注意したいのが、あまり長すぎないようにするという事です。長すぎると本来の意味がわからなくなってしまったり、目的がぼやけてしまったり、目的が伝わりにくくなってしまったりするなどのデメリットがあります。

社内報のデザイン

社内報のデザインを選んでいる社員

デザインをする際には、文章が長々と続く事によって読者が飽きてしまったり、視点があちこちに飛ばなければならないなどといった読みにくさがないように注意してください。

デザイン制作会社と連絡を密にして決める

読み手が内容をすらすらと頭に入れやすくするためには、デザインがとても重要です。デザインを行う制作会社などとは、綿密な連携をとる事が必要です。指示を出す際には、自分たちの意図やイメージをできるだけ具体的に伝え、お互いに齟齬が生じないようにしましょう。ほかに、雑誌やフリーペーパーなどは良い参考資料になるので、積極的に利用してください。

イメージは紙に起こす

まず、実際の原稿を書くためにはサムネイルと呼ばれるラフ画を書き、イメージを紙に起こします。デザインは、文を中心に据えたものにして、その周囲に写真やイラストを配置しておくものや、逆に図やグラフを中心に置き、その結果やそこから読み取れる事を文章にして周りに載せる場合などがあります。

写真はイメージ沿っているものを選ぶ

また、インタビューを載せたい場合は、取材した相手の顔写真が大きく掲載されるようにレイアウトを考えると良いでしょう。実際に誌面に載せたい写真の選定には気を付け、できるだけテーマやイメージに沿っているものを選びます。

見出しは大きく

また、キャッチコピーのように大きめに見出しを掲げ、その下に詳しいリード文を書くと、読み手は手を止めてくれます。

本文は2~3行にまとめる

本文は長いまま続けるのではなく、間に小見出しを入れたり、イラストに吹き出しを付けて、その中に2~3行でまとめた文を落とし込むのも読みやすくするための工夫のひとつであると言えます。

本文に写真を掲載するならば、その上下左右のどこかに詳細を小さな文字で載せると、多少長くても読み手は興味を持って読んでくれる傾向にあります。

社内報の取材相手にインタビューする時のポイント

社内報のインタビューを受けている男女

社内報にインタビューを載せたい時には、まず取材対象となる人物について前情報を充分に得ておく事が必要です。何も知らないままインタビューを始めるのは相手にとって失礼ですし、話す内容も思いつかないうえ、全くまとまりがつかなくなってしまいます。念入りな準備をしてから臨みたいところです。

相手に企画の意図を説明する

まず、取材相手にどういった経緯でその人にスポットを当てることになったのかについて、そしてこの企画はどのような意図を持っているのか、読み手へのメッセージはどういったものなのかについて詳しく説明するところから始めます。

大まかな取材の流れを理解してもらってからインタビューすると、相手もそれを頭において話してくれるのでやりやすいでしょう。

また、話してもらった事すべてが誌面に載るわけではない事や、そのまま文にするわけでない事などについても了承を得ておくべきです。

話しやすい雰囲気を作る

いきなりテーマについて話してもらおうと切り込むのではなく、そこにたどり着くように周辺から話を聞いていくと良いでしょう。話を聞く姿勢はあくまでも堅苦しくないように、お互いに話しやすい雰囲気を作ってください。

社内報で社員の意識をつなげよう

社内報は一時期軽視されていましたが、最近ではまたその存在が重視されるようになりました。これは社内報によって、会社全体がひとつにまとまるきっかけがもたらされたからです。

いつもは社内報に特別な意識を持っていなかったという方も、ぜひこの機会に自分の手元にある社内報を熟読してみてください。作り手のメッセージや、社内での他の社員の活躍を意識する事ができますよ。