「行く」の敬語の3つの使い分けと使用例

「行く」の敬語は使用されることが多い敬語です。しかし簡単でよく使う言葉ほど肝心な時に敬語が出てこない時ってありますよね?!そんな恥ずかしい失敗をビジネスシーンでしないためにも、正しい敬語の使い分けを学びましょう。丁寧語、謙譲語、尊敬語の3つの敬語に分け例を交えて紹介します。

「行く」の敬語の3つの使い分けと使用例

覚えたい「行く」の敬語は3パターン

普段は意識していなくても「簡単な敬語くらい自分は使える」と思っていませんか?!しかし簡単でよく使う言葉ほど肝心な時に間違った言い回しをしてしまったり、敬語を使っているはずが失礼な表現になってしまったりと、とんでもない場面で赤っ恥をかいてしまうのです。

ここでは日常会話でもよく使う「行く」という言葉に注目してみましょう。「行く」を敬語にすると3パターンに分けることができます。それが「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つです。皆さんはそれぞれ的確に使い分けることはできているでしょうか。ここでは「行く」の3つの使い分けを詳しくご紹介します。

1.「行く」の尊敬語は「いらっしゃる」

尊敬語は目上の人や年上の人を敬う時に用います。もちろん年齢に関係なく面識のない人には尊敬語を自然に使えることが理想です。

社内で会議中の社員達

例1)
「明日は何時に会社へいらっしゃいますか?!」

職場の先輩や上司に「何時に行きますか?!」では少し軽い印象を与えてしまいます。リラックスした間柄であっても、決して「敬語=重い」と勘違いしてしまってはいけません。目上の人ならば自然に尊敬語で会話をできるようにしておくのが社会人としてのマナーです。

例2)
「田中さんはもう会社にいらっしゃっていますか?!」

「いらっしゃる」は「来る」の尊敬語としても使うことができます。例の田中さんが目上の人や取引先の人であるならば尚更、第三者と話をしていても尊敬語を使うのが正解です。

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2.「行く」の謙譲語は「参ります・伺います」

謙譲語は自分を低めて相手を敬う時に用いられます。自分が主語になる会話文で使うことができます。

部下の男性にアドバイスをする社員

例1)
「田中さんの代わりに私がそちらに参りましょうか?!」

取引先に行く予定だった田中さんに急用ができ行けなくなってしまいました。社内では田中さんの代わりに取引先の会社に行くことができる人を探しています。そんな時に余裕がある自分が「私が参りましょうか?!」と提案する時に使えます。「私が行きましょうか?!」でも問題ありませんが、ビジネスシーンでは「参りましょうか?!」の方が礼儀正しく誰の耳にも響きます

例2)
「今日の18時に予約をしていました田中と申します。あと10分ほどでそちらへ伺います。」

18時に予約していた歯医者さん。しかし仕事が長引いてしまい時間通り行けそうにありません。そんな時には必ず「遅れます」という電話を一本いれましょう。その時に使えるのが「伺います」です。「10分で行きます」では少しフレンドリーな印象になってしまいます。例え病院やお店であっても謙譲語を使うと良い印象を相手に持ってもらえるのでドンドン使っていきましょう。

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3.「行く」の丁寧語は「行きます」「行かれます」

丁寧語はどちらかと言うとビジネスシーンよりも、もっとカジュアルな場面で使うことができます。丁寧語は使う相手との関係性を見極めることも大切です。

敬語がわからず説明ができない社員

例1)
「資料室へ書類を取りに行ってきます。」 

敬語を使う対象がいない時に、このように丁寧語を使うことができます。ここで言い換えることができる敬語が、謙譲語の「参ります」です。「資料室へ書類を取りに行って参ります」と言い換えると、とても丁寧で育ちが良い印象を与えるので女性におすすめです。

逆に「伺います」を使うと、「資料室に敬語を使う相手が待っている」ことが前提になります。こちらの例文では主語は自分で対象が資料室のみ、したがって丁寧語でも全く問題ありません。

例2)
「先輩は明日の飲み会行きますよね?!」

かなり親しい間柄の先輩には、敬語を崩した丁寧語での会話も成り立ちます。どんなに友達のように接しているフレンドリーな先輩であっても目上の人には変わりありません。カジュアルな雰囲気は残しつつ最低限の敬語を使うようにしましょう。

例文の「行きますよね?!」ではいまいち敬語感が薄いと感じる人は、「行かれますよね?!」ではどうでしょうか。「行きます」に「られる」をミックスするだけで、丁寧語がちょっぴりパワーアップします。同じような例では、「飲み物は何にしますか?!」という丁寧語に「られる」をミックスすると、「飲み物は何にされますか?!」となります。

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「行く」の敬語3パターンを覚えればどんなビジネスシーンも怖くない

あらゆる動詞の中でも頻繁に会話に出てくる「行く」という言葉、敬語3パターンの「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」は微妙な違いで正しく使い分けられていなかった人も多いのではないでしょうか。確かによく使い慣れた言葉こそ、正確な敬語の使い分けをできでいないのかもしれません

しかし「行く」の敬語3パターンはとっても言い回しが簡単で覚えやすいのが特徴です。身近な人から面識のない人、仕事でお世話になっている人や取引先の方々まで、「行く」の敬語を使う機会は毎日あらゆるシーンで登場してきます。

覚えやすく簡単な「行く」の敬語3パターンを使い分けて、スマートな会話を楽しんで下さいね。