管理栄養士になるには?国家試験受けるのも一苦労

管理栄養士になるためにはどんな手順を踏む必要があるのかをまとめました。管理栄養士が活躍するのは病院や学校だけでも、仕事内容も献立を考えたり栄養指導したりするだけではないのです。国家試験の受験資格、試験の内容、大学と専門学校の違いなど、詳しく書いてあるので参考にして下さい。

管理栄養士になるには?国家試験受けるのも一苦労

管理栄養士になるには

病院や老人ホーム、学校給食など様々な場面で活躍している管理栄養士には、誰もがお世話になったことがあるはずです。高齢社会や生活習慣病の問題が深刻になるにつれて、食事のエキスパートである管理栄養士はますます需要が高まることが予測できます。食の意識が高まる現代、管理栄養士になるためにはどのような道のりがあるのでしょうか。管理栄養士に興味のある方、目指そうと思っている方に向け、その道程をまとめましたので参考にして下さい。

学生が管理栄養士になる方法

学校内を歩く女子学生

管理栄養士になるためには国家資格が必要です。国家試験を受けるためには高校卒業後、栄養士養成課程のある学校で所定の専門課程を習得し、卒業することが必須条件です。専門課程では必修科目がたくさんあるため、夜間コースや通信教育がありません。よって、フルタイムの学校に通わなければなりません。

学校は2種類あり、栄養士養成施設と管理栄養士養成施設に分けられます。前者はさらに短期大学と二年制、三年制の専門学校の3種類に分けられ、それぞれ実務経験が2~3年以上必要なため国家試験を受験するためには最低でも5年はかかります。後者は四年制の大学のみになり、こちらも実務経験が1年以上必要です。国家試験を受験できる最低年数5年と、前者も後者も変わりません。

栄養士養成施設の学校の場合

  • 二年制大学+実務経験三年以上
  • 二年制専門学校+実務経験三年以上
  • 三年制専門学校+実務経験二年以上

管理栄養士養成施設の学校の場合

  • 四年制大学+実務経験一年以上

国家試験の合格率は全体で約40パーセントです。そのうち、管理栄養士養成課程(4年制大学)の新卒の合格率は約90パーセントです。既卒の場合だと勉強をしてから時間が経っていたり、働きながら勉強をしたりしなくてはいけなくなるので、合格率が20パーセントを下回っているのが現状です(注2)。

社会人が管理栄養士になる方法

大学校舎

社会人から栄養士になるとしても、まずは受験資格を得るために学校に通う必要があります。専門的な授業を受け卒業した後に受験資格が得られるので、まずは学校に入学しましょう。

栄養士養成施設の場合、2年制の大学、2年制または3年制の専門学校のいずれかを卒業し、数年間実務経験をする必要があります。2年制の場合は3年間、3年制の場合は2年間の実務経験が必要です。学校に通う年数が少ないので学費は浮きますが、現場で実務経験を積みながら国家試験の勉強をしなくてはならないため、多くの方が予備校や通信講座を利用しています。

管理栄養士養成施設の場合、4年制の大学に入学する必要があります。大学では講義はもちろん実習も行われます。学校で試験対策をしてくれるので、予備校などに出費をすることはあまりありません。

受験と聞くと高校生が受けるイメージが強いですが、ほとんどの大学や専門学校では社会人枠が設けられており、毎年一定数の社会人が受験をしています。受験方法は高校卒業程度の筆記試験が課されたり、小論文・面接のみの内容だったりと、学校によって様々です。

学校から資料を取り寄せ、入学試験方法(筆記試験、面接、小論文など)や合格率を比較して、自分の能力に合った学校を選ぶことが大切です。また、学費は国公立と私立とで大きく差があります。大学の場合、国公立では4年間で250万円程度、私立の場合は430万円程度が学費の相場です。その他、教科書や実習で使用する道具等、別途必要になりますので余裕を持った予算を用意しましょう。

管理栄養士の試験について

試験会場と鉛筆を持つ手

試験は毎年3月に、午前と午後に分けて計5時間程度かけて行われます。試験科目は以下の10科目で、問題形式は誤肢選択型、五肢択一型、四肢択一型の3種類からなります。第31回の国家試験(注1)を元にまとめたので参考にして下さい。

科目といっても、普通の試験のように「国語」「数学」というようにバラバラな内容が出題される訳ではなく、「公衆栄養学」を理解していないと「給食経営管理論」が解けないことがあるので、どの科目も余すところなく勉強しておかないといけません。

1 社会・環境と健康(17問)

公衆衛生や喫煙に対する国の対策など、健康のための政策についての知識が問われます。出題範囲が広いため、教科書に載っていることだけでなくニュース番組を観たりネット記事や新聞を読んだり、幅広い分野についてしっかりと学習をする必要があります。

2 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(27問)

人体の構造

人間の身体の仕組みについての知識が問われるので、栄養学というよりは生物学に近いです。例えば皮膚の構造や細胞の働きや血液循環の仕組みについて問われます。臨床栄養学の理解が深まるので、しっかり勉強しましょう。

3 食べ物と健康(25問)

食べ物と健康の結びつきについての学問で、食品成分表や食品の保存方法、食中毒についての知識を問われます。暗記量が多いので、優先順位をつけて計画的に勉強をする必要があります。

4 基礎栄養学(14問)

栄養を学ぶ上での基本的な知識が問われます。糖質・脂質・たんぱく質などが体内にどのように働くのかや、栄養素がどのようにからだに吸収されるかなど、栄養にまつわるアレコレを暗記しなくてはいけません。

5 応用栄養学(16問)

妊娠期から高齢期までの様々なライフステージについての特徴を理解し、それぞれの対象者にどのような栄養マネジメントをすればよいかという知識が問われます。

6 栄養教育論(15問)

栄養指導を行う

管理栄養士は対象者に対して栄養指導を行うスキルも必要とされています。対象者が自ら食生活の管理・改善ができるよう、行動科学やカウンセリングの理解とその応用能力が求められるので、栄養指導のための能力を図る設問郡です。

7 臨床栄養学(28問)

臨床という名の通り、病気の改善を目的とした栄養学です。医療の一環として栄養の面から病状の改善をサポートする食事療法や栄養が病気に与える影響についての知識が問われます。

8 公衆栄養学(18問)

食生活指導において、栄養学だけでは補えない部分を補完するのが公衆栄養学です。対象者の経済や習慣、地形など、文化的環境と自然環境に配慮しながら食事を改善します。

9 給食経営管理論(20問)

給食の管理をする栄養士

給食の運営について問われる問題です。給食そのものの栄養や食材についてはもちろん、給食が供給されるまでのプロセスについての知識が必要です。ノロウイルス、非常時のための備蓄食品、食器の種類まで、総合的な学習が必要です。

10 応用力試験(20問)

栄養管理をする上で必要な能力を評価される問題です。思考力・判断力・対応力が必要になるのですが、正誤ではなく「最も適切なもの」を選ぶ設問なので設問を読み解く力と必要な知識を身に付けているのかが重要です。

管理栄養士として働く方法

野菜を切る女性

管理栄養士のお仕事は多岐にわたります。ここでは管理栄養士の主なお仕事を3つ紹介します。病院・メーカーは倍率が高く、就活が比較的厳しいといわれています。あまり多くの人数を必要としない職業なので、求人自体が少ないのです。

どうしても病院で働きたいという場合は附属病院がある学校に通うと採用されやすい傾向があります。また、メーカーで働きたい場合は、ゼミなどで企業と合同研究をしている経験があると優遇される傾向があります。

仕事1 献立を作る

給食や食堂といった比較的大人数の食事を提供する場所で、栄養バランスの良い健康的な献立を考えるお仕事です。病院、学校(委託している場合はその受託会社)、社員食堂、老人ホームなどからの求人があります。求人情報は各施設のホームページや地域の就職情報誌に掲載されていることが多く、細かい頻度でチェックをする必要があります。

仕事2 栄養指導

栄養指導とは、糖尿病など栄養状態が不安定な患者や体調管理が必要なスポーツ選手に対して、食事の方法や調理の工夫を提案するお仕事です。その人に合った提案をするために、カウンセリングの知識と高いコミュニケーション能力が必要です。栄養指導のお仕事は、病院やスポーツ選手が在籍している団体で求人があります。

仕事3 食品開発

食品会社が開発した新商品の試作品や既存の商品を改良する仕事です。食品の品質管理といった業務に加え、研究職のように開発に携わるクリエイティブな作業が出来ます。メーカーで求人があり、他の就活生と同様に就職情報サイトを使って情報を入手するのが効率的です。

管理栄養士になるにはまず受験資格を!

管理栄養士になるためには国家試験に合格をすることが必要でが、まずは試験を受ける資格を得る必要があります。夜間コースや通信教育では認められていないので、専門課程を受けられる学校への入学を検討しなくてはいけません。学校に通いながら試験の対策をして合格を手に入れられれば、晴れて管理栄養士になることができます。管理栄養士をお考えの方は、学校の資料請求から始めましょう。

今回お伝えした情報を参考にしていただき、少しでも管理栄養士への夢に近づいていただけたら嬉しいです。管理栄養士は決して簡単な試験ではないので、手を抜かずに対策に挑んでください。

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