試用期間でクビは正当?泣き寝入りしないために知っておくこと

試用期間でのクビに屈しない!試用期間満了後の本採用なし、試用期間中の解雇、その理由は何ですか?試用期間だから仕方ないで終わらせてはいけません!せっかく決まった就職先、新卒の人も転職の人も、アルバイトの人も試用期間でのクビが自分にとって不利にならないように知っておくべきことを解説。

試用期間でクビは正当?泣き寝入りしないために知っておくこと

試用期間でクビになる理由って何?「試用期間」のトラブルにどう対処する?

新卒や転職などで就職活動をしていると、求人募集に「試用期間あり」と書かれているのを度々みかけるでしょう。

多くの会社に存在する「試用期間」は、一見双方にとってのお試し期間を提案しているようですが・・・。
本人にとっても、この会社で本当にやっていけそうか、面接の際に聞いた待遇に違いはないかなどを確かめられる期間とはなりますが、やはり会社にとっては、良いように人材を切り捨てていけるようなシステムに見えなくもありません。

企業にとっては新たな人材の能力やスキル、採用した人の勤務態度が今後会社にとってあっているか、やっていけそうか?など考える期間も必要なのかもしれませんが、実際そこには様々なトラブルも存在します。

試用期間が終わって問答無用に解雇(本採用なしなど)を言い渡されるのは、果たして正当なのかどうか、また試用期間中のクビについてもどのように考えて対応していくべきなのかを探ります。

試用期間後に本採用にならなくても仕方がない?

試用期間で解雇になった女性

「本採用の前に3ヶ月の試用期間があります」というのは就活にてよくある話。採用されたとて、働く側に安心はできないこの「試用期間」とはどういったものなのでしょうか?また、働く側として一番の心配は試用期間が終わってからの雇用のことですよね。
試用期間後の本採用について、完全に事業者にゆだねられるのでは、働く側にはあまり心臓に良い話ではありませんが、試用期間とはどのような仕組みなのでしょうか?

試用期間とは何なのか?

試用期間とは、事業者が従業員の適格性を判断するために設ける期間です。
つまり、入社時に行われる面接など限られたコンタクトでは、判断しかねる部分があるということです。事業者としては試用期間中は仮採用とし、試用期間満了時に本採用を決めるというスタンスです。

ですが、試用期間とはいえ、採用されていることには変わりありません。事業者は試用期間について「試用期間があって、その期間はどれくらいか」を通知すべき。
通常は、特に試用期間中の処遇が本採用後とはとくに違うことなどは労働契約を結ぶ際にちゃんと通知されますよ。

試用期間について知っておきたいこと

・試用期間があること、および試用期間の長さ
・試用期間中の待遇
・本採用を拒否するときがあること
・本採用を拒否する理由

試用期間満了後の本採用拒否は法的には『解雇』です

試用期間が終わったあとの本採用拒否は労働契約の解除(解雇)にあたりますが、試用期間は基本的に『解約権留保付き労働契約』であるとみなされ、やや解雇が認められやすいと言われていますが、それでも相応の理由は必須です。

※通常の解雇は、「解雇にいたったのは仕方がない」と判断するに足る客観的合理性や社会的相当性が必要となり、簡単に行えるものではありません。

つまり、試用期間が終わって本採用としてもらえなかったとしても、無条件に「試用期間だし仕方がない」と考えるのは妥当とは言えません。
クビにされても一度は受かった会社なので、きちんとした理由を聞いて納得をして次に繋げなくてはいけません。会社のいいように職を失うようなことはあってはならないものなのです!

クビ(解雇)ってどういうこと?労働契約解除のかたち

会社をクビになり落ち込む女性

解雇には相応の理由が必要です。つまり、企業は従業者が不要になったからと言う理由で解雇することはできません。つまり、一般の認識にあるほど解雇は簡単ではなく、実際その数も多いとは言えません。

ですが、実際に「解雇された(クビになった)」という認識の従業者が多い背景には、従業員が不要になった企業が適法に労働契約を解除しようと働きかけ「自主退職」という形に持っていっているケースが極めて多いこと、働く側の雇用契約についての認識不足などがあります。

解雇

企業から従業者に言い渡される解雇は社会通念上相当である必要があります。客観的に合理性を欠いたり、まっとうな理由がない解雇(不当解雇)は、企業側の権利濫用であり無効です。

不当解雇

労働基準法や就業規則に沿わない解雇を不当解雇と言います。不当解雇は慰謝料請求に値します。これを避けるため、企業は従業員が不要になったとき、適法に労働契約を解除しようとしますが・・・。

会社都合退職

職場でイジメやセクハラなど勤務に支障をきたす問題があった、強引な退職勧告など権力や抑圧、経営悪化に伴うリストラや倒産といった労働契約の解除にいたった理由が企業側にある場合を会社都合退職と呼びます。

キーは合意するかしないかにあり、会社の退職勧告を従業員が承諾しなかったときに、退職させるような勢いのいじめ、転勤など不当な扱いがあったときは会社都合退職となります。
従業者は拒否することが出来る退職勧告に同意し自身から退職を切り出した場合、会社都合退職とはならず、自己都合退職または合意解約となるので注意しましょう。

自己都合退職

結婚や出産、家族の介護が必要で・・・といった、従業者側の都合での退職を自己都合退職と言います。解雇や会社都合退職と比較すると、受け取る権利のある手当、内科や失業保険の受け取り期間などが違ってきます。

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失業保険の待期期間スケジュール・会社都合と自己都合の違い

試用期間でクビになったときは『理由』を聞くべき

上司とクビになった理由について話す女性

試用期間は、就活生や仕事を求める人にとって採用試験に無事合格したあとに待ち受ける試練となり得えます。試用期間が終わり、「今回本採用はありません」という突然の思いも寄らぬ通達・・・。

実際に試用期間後に本採用拒否をしたことがある事業者は全体の1割未満というデータもありますが、試用期間での解雇は通常の解雇よりもやや認められやすいのは事実。中には試用期間中の解雇は自由と考えている会社もあるようで、試用期間の解雇にまつわるトラブルも残念ながら実際にあるようです。

ですが、試用期間満了後の本採用拒否は『解雇』にあたりますので、よほどの能力不足や常識に欠ける無断欠勤、生産性を下げるまでに著しい周りとのコミュニケーション不足など、目に余るような勤務態度の悪さやよほどの正当な理由や原因がなければ勝手に解雇はできないのです。

試用期間は企業だけに好都合なものとなってはいけません。基本的には試用期間とは言え本採用と同様ということを忘れないでいましょう。

本採用を拒否する理由

何度も言うように、通常の解雇よりもやや認められやすい試用期間満了後の解雇ですが、それでも相応の理由は必要です。
事業者側が雇用の試用期間満了後に本採用を拒否する理由には、以下のような理由があります。

・能力が低い・・・54.9%
・勤務態度が悪い・・・45.3%
・健康不良(問題なく働ける健康を維持していない)・・・29.3%
・その他よろしくない行為・・・25.2%
・経歴詐称、犯罪、会社の業績不振、その他・・・13%

まさかの試用期間満了後の本採用なしの通達には冷静に対応を!

突然の解雇など本当はあってはいけないことなのですが、もし通達されたなら激情しないで、冷静に対応をして理由をきちんと聞くようにしましょう。なぜなら、間違っても上司の気分や相性などと言った理由での解雇は法律上でも許されないからです。

会社規約の解雇に関する事柄に当てはまっている場合や、自分なりに納得が出来る理由であれば受け入れるべきですが、企業の戦力として働く側にも守られるべきものはあるはずです。

労働基準法をチェック!

労働基準法第20条第1項には、「解雇」の際には「解雇予告」の必要があると定められています。
雇用者が雇用される側を解雇するとき、少なくとも30日前にその予告が必要で、30日前に予告をしないときには通達が遅れた日数分の「解雇予告手当」を支払わなければなりません。

試用期間中の解雇に正当理由が認められた場合でも、雇用開始後14日以降の解雇なら、本採用後の解雇同様に30日前の解雇予告または30日分の解雇予告手当を受ける権利があります。

ですが、雇用開始から14日経過以前には該当にはなりませんのでここも注意です。

試用期間中のクビ、これって会社都合(解雇)?自己都合?

会社を解雇になった理由を探る男性

前章でも紹介していますが、試用期間でクビ(解雇)になるとき、雇用開始後14日以降なら本採用後の解雇同様30日前後の解雇予告、または30日分の解雇予告手当を受け取る権利が発生してきます。
14日以内だと予告なしの解雇もありではありますが、相当な理由がないと当然全て不当解雇となります。

通常通り誠実に勤務していて、本人によほどの落ち度がない限り、試用期間だけ使われて本採用拒否になることはあってはならないこと。試用期間中の解雇も不当解雇である可能性は高いと言えるでしょう。なお、労働基準法を無視した労働契約等を飲む必要はありません。

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リストラとは?人員整理の実例や対象にされやすい社員

有期雇用契約や退職勧奨には気をつけましょう!

有期雇用契約

試用期間だと思っていて雇用契約を結んだら、実は有期雇用契約だった・・・なんてこともあり得るようですので、労働契約を結ぶ際はしっかり内容を把握しましょう。
有期雇用である場合は、もともと雇用期間が決められているので、契約の更新又は正規雇用へ移行してもらえない限り『契約期間満了』として雇用解消されてしまっても文句は言えないのです。

会社側としたら試用期間に勝る採用リスクの削減方法ではありますが、優秀な人材を集める意味では契約期間の定めなしの正規雇用が一番という面があるために、試用期間を設けているところは多いのです。

試用期間満了後の退職勧告

「試用期間満了後本採用なし」とは、つまりは解雇。
労働基準法は雇用される側を守るようになっていて、解雇は簡単ではありません。会社の好き勝手に解雇をすることはできないようになっているために、会社は解雇ではなく『退職勧奨』をすることが多いのです。

『自己都合にての退職』は「雇用された側が辞めるって言って辞めていった」状態です。会社側はあなたの為を思って。などといって巧妙な手口を使う場合もあるようですが、自己都合での退職か会社都合での退職かは失業保険の給付開始にも影響することであり、安易に同意をすることにメリットはありません。もちろんこの場合は拒否できます。

・会社都合退社(解雇)は、様々な制限がありますが、自己都合退社では特に制限なく退職できます。
・納得のいかない退職勧告は拒否できます。

試用期間でクビになってしまった体験談

仕事をクビになり絶望する女性

Kさんのエピソード

Kさんは○○会社の入社試験に無事パスしましたが1ヶ月の試用期間がありました。勤務を開始しはじめて半月ほどで突然「Kさんは、この仕事には無理があるようですね。なので、本採用にはなりません」という通達が・・・!
Kさんは突然のことにショックが隠し切れず、何が原因なのか全く見当がつかずにいました。周りの人達とも何も問題なく作業し、何もミスもなく仕事をしていたはずでした。ただ、現場監督の方が少々苦手なタイプで避けていたことを除いては―――。

そんな雰囲気が伝わってしまって、嫌われてしまったのかと諦めて、Kさんはその申し入れを受け入れてしまいました。試用期間は正社員ではないと思っていたので、仕方がないと思ってしまったのです。ですが、このような例での解雇は不当です。試用期間とは言え漠然とした理由で解雇は出来なのです。

Aさんのエピソード

Aさんは1ヶ月の試用社員ということで働き始めました。やっと決まった就職先、張り切っていたのですが、つい学生気分が抜けず日常の遊びを満喫してしまい遅刻や無断欠勤を幾度となく繰り返してしまいました。ある日、Aさんは上司より「会社は学校ではありません。これ以上来なくていいから」言われてしまいました。頭が真っ白になりました。しかし、これでは、誰が聞いても仕方がありませんね。

法律上でも、出勤率不良は、出勤率が90%に満たない、又は3回以上の無断欠勤がある場合。と定義されています。

試用期間でクビ!失業保険はどうなる?

失業保険をもらうためには雇用保険の加入が必要です。
一般的には正社員であっても、本採用前の試用期間中の社員であっても変わりなく、雇用保険は原則として全ての労働者が加入するべき保険になります。給料支払明細書にて雇用保険料という名目で差し引かれているお金で失業保険をまかないます。
失業保険を受け取るときは、離職時には会社より離職票をもらう必要があります。

失業保険給付条件

・現在失業中であること
・求職活動中であること
・失業直前の2年間で雇用保険に加入していた時期が合計で1年以上あること
※ただし、会社の都合により離職をした特定受給資格者は退職の前の1年間で6ヶ月雇用保険に加入していたこと

試用期間満了時に失業保険を受け取るには6ヶ月以上の雇用が必要

試用期間満了後に本採用とならないとき、失業保険手当を受け取りたいものですが、この場合は原則として雇用期間(雇用保険加入期間)が6ヶ月以上ないと、失業保険の給付条件を満たさず、残念ながら失業手当はもらえないことになります。

ですので、新卒の新入社員で初めての就職である場合、3ヶ月の試用期間満了の本採用なしといったケースでは失業保険の該当にはなりません。

再就職の場合

再就職のときの試用期間での解雇なら、前社で(※雇用期間満了前の1年間であること)雇用保険に加入していれば、再就職先で6ヶ月未満であっても失業保険の給付は受けることが可能となる場合があります。
以前の会社を辞めてから一度も失業保険の給付を受けていないかどうか、退社後一年未満であるかなどの条件で、失業手当の受給資格があるかがわかります。

例として、○○会社を退職して90日の失業手当を受給できる権利を得たYさん。Yさんは40日の失業手当を受給中に●●会社への再就職が決まりました。ですが●●会社に問題があり2週間で退社してしまいました。

このような場合、短期間で●●会社を辞めてしまったので失業保険が受給できないというわけにはなりません。○○会社を退職したときの失業手当の残りの50日分が受給できます。その期間にて再度就職活動ができるのです。また、●●会社退社後の失業手当の受給再開までに7日間の待機期間はありません。

受給期間は○○会社を退職した日の翌日から1年以内であることには注意しましょう。

試用期間でクビ・・・次の履歴書に職務として記載は辞めておくべき?

試用期間でクビになり再就職を目指す女性

試用期間だけでクビになったから、次の履歴書には書く必要はないだろう。
このように安易に考えてしまいがちですが、履歴書や職務履歴にあまり間が空いてしまうのは、どんな印象を持たれてしまうかといった懸念があるため、試用期間の日数によって記載するかどうかを考えた方が良いでしょう。

履歴書に書く場合

参考として、基本的に3ヶ月以上働いたのであれば、ある程度の仕事をしていたと見なされるかと思いますので、職歴として受け取ってもらえる可能性も高くなるようです。
職歴の欄には。当たりさわりのない「一身上の都合にため」「雇用期間終了にともない」などの記入で良いでしょう。

海外では経験豊富な人材だなぁ!と受け取られる職歴の多さですが、日本ではあまりコロコロと職を変えることは良しと受け取られません。試用期間だろうと働いた期間が短かろうと、そこでどういった活躍をしたのかなど、自分のアピールにつなげられれば、きっとプラスになるはずです。

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履歴書の職歴の書き方と具体的な例文

履歴書に書かない場合

採用側に、何か問題のある人材?飽きっぽい?などのマイナスに受け取られてしまう懸念は確かにあります。

試用期間での退職では職歴に記載するか否かは、最終的には本人の意思で決めることですが、雇用保険に加入していると加入履歴で新しい職場に分かってしまう可能性もあると言うことも頭に入れて置いてください。

試用期間だけでクビ!どうしても納得いかないときは

試用期間だけでの解雇問題・・・残念ながら大小様々あるようです。このようなトラブルににあってしまったら先ず。

信頼できる上司や同僚に相談

ケンカ腰ではなく、平常心を心がけましょう。また、会社の労働条件や法的な権利などはちゃんと確認するべきです。

行政に相談

誠意をもって労働条件の確認を求めても、曖昧な返答で確認をさせてもらえない。ときなどは行政に相談しましょう。

・労働基準監督…解雇・賃金に関する問題
・ハローワーク…雇用保険料に関しての問題
・年金事務所…社会保険未加入などの問題

弁護士に相談

上記機関にても解決できなければ弁護士へ相談します。ですが、時間と金銭との問題があります。本格的な依頼の前に、お住まいの地域の法テラスに相談してみましょう。

まずは冷静に!自分を守るつもりで行動しましょう

実際問題、このようなトラブルに屈しないとなると時間と精神的負担はでてきてします。このような労力を考えれば、気持ちを改に新就職先を探して就職したほうが良い!と思うかもしれません。
あなたがそれで納得ができればよいのですが、自分の置かれる環境に妥協せず、労働環境について知り、働く側の権利を冷静に主張することは自分を守る術となります。

せっかく決まった会社なのに、納得のいかない試用期間での解雇となると、ショックは計り知れませんが、まずは冷静になることが大切です。気持ちを落ち着かせて、納得するまで会社と話合い、同時に他に必要としてくれる会社を探してみませんか?

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